7-1 事故防止及び事故発生時における処置 | ボート免許の取り方

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第7課 事故対策

7-1 事故防止及び事故発生時における処置

1 海難事故の防止対策

(1)出航前の準備を確実に行うこと

  •  1)航行予定水域を調査し、危険物、魚網などを事前にチェックする。
  •  2)安全な航行コースを設定しておく。
  •  3)気象・海象情報を収集し、天候が悪化する可能性を検討する。
  •  4)船体・機関・装備品等に異常がないか点検し、確実に整備しておく。

(2)常時適切な見張りを行うこと

  •  1)自船の周囲全ての方向に他船がいないかを常時確認しながら航行する。
  •  2)他船を確認したら、他舶の動向を絶えずチェックする。
  •  3)漂流物や魚網などの目印がないかなどを見張る。
  •  4)水面下の危険物を察知するため、水域の色の変化や周囲と異なった波立ちなどを見張る。

(3)自船の位置の確認

  •  1)目標物を絶えずチェックし、コースを外れていないか、事前に調べた危険に接近していないか確認する。

(4)定期的な点検

  •  1)予定より燃料を使いすぎていないか、帰港に必要な燃料量をチェックする。
  •  2)錨泊した場合、余計な電気を使っていないか、エンジンを始動しバッテリーを充電するなど、エンジン始動に必要なバッテリー容量を確保する。

2 衝突時の処置

  • (1)ただちにエンジンを停止し、乗船者の死傷の有無、船体の損傷や浸水がないかを調べる。
  • (2)負傷者がいる場合、航行が可能であれば最も近い港に向かう。通信手段がある場合は、状況を知らせ手当ての準備などを依頼する。
  • (3)航行が不能な場合は、ただちに、信号紅炎や、携帯電話などあらゆる手段を使って救助要請をする。
  • (4)乗船者に死傷が無く、双方とも走行できる場合は、衝突時の時刻や衝突した位置、気象状況を確認し、お互いの住所、氏名、連絡先、船名などを確認する。
  • (5)衝突の状況を確認してから引き離す。急に離すと破ロから一気に浸水する場合があるので十分注意する。
  • (6)どちらかの船に沈没の危険がある場合は、安全な船に乗り移る。
  • (7)双方の船が沈没の危険がある場合は、救命胴衣の着用を再確認し、他の救命具を用意していつでも退船できるようにして救助を待つ。

3 乗揚時の処置

  • (1)エンジンを停止し、乗船者や船体、プロペラの損傷や浸水の有無を調べる。
  • (2)離礁が可能か調査する。いきなり後進してはならない。損傷を拡大する場合や、破ロが大きければ沈没する。また、乗り揚げた所が泥や砂の場合、冷却水と一緒に吸い込んで故障の原因となる。
  • (3)損傷が軽微で、航行に支障がなければ離礁する。離礁方法は、乗船者を船から降ろす、荷物を移動させるなど乗揚げ部の加重を減らし、人力で押す、ボートフックなどで押し出す、後方へアンカーを打って引き寄せる、干潮時であれば、満潮を待つ、などがある。
  • (4)外傷は無くても船体が損傷している場合があるので、できるだけ早く帰港し、再度損傷部分を確認する。
  • (5)離礁できない場合や、離礁しても航行できない場合は、ただちに救助を要請する。このとき波や流れで船が動き、更に状況が悪くならないようにアンカーやロープを使って船固めをする。

4 浸水時の処置

  • (1)浸水を発見したら、まず浸水の原因を調べる。船体損傷によるものか、海水の打ち込みによるものか、冷却水系統の破損によるものかを調査する。
  • (2)応急処置をする。船体破損の場合、水練部付近なら船を傾けて水面上に出す、浸水部を風下側へ向ける。また、布などを詰めて浸水個所を塞ぎ、できるだけ浸水を食い止める。
  • (3)応急処置及び補修処置をするとともに、排水作業を行いながら、帰港するか、最寄の港やマリーナに向かう。
  • (4)自力航行が不可能な場合、沈没のおそれがある場合は救助要請を行う。
  • (5)沈没しそうな場合は、救命胴衣を確実に着用し他の救命器具を用意して、早めに水中に避難し、沈没船に巻き込まれないようにする。
  • (6)水中へ避難した場合、船が水舟の状態で浮いている場合はできるだけ船から離れないようにする。

5 火災時の処置

  • (1)火災が発生したら、まず乗船者全員に知らせる。
  • (2)消火器を使って消火する。消火器が使えない場合は、バケツで水をかける、ぬらした大きな布をかぶせるなど、できるだけ初期の段階で食い止める。
  • (3)火災発生場所が風下になるように操船し、エンジンを停止する。火元がエンジンの場合は、燃料コックを締めて供給を絶つ。
  • (4)燃えやすいものは火元から遠ざける。
  • (5)消火器は火炎の根元を狙い、掃くように消火する。
  • (6)火勢が強く消火が困難な場合は、救助要請をするとともに、救命胴衣の着用を再確認し、他の救命具を用意して、いつでも退船できる準備をする。

6 転覆時の処置

  • (1)同乗者の安否を確認する。特に船内に残された者がいないかどうかを確認する。
  • (2)あらゆる手段を使って救助を要請する。
  • (3)転覆しても浮いている場合は、船体につかまって救助を待つ。
  • (4)沈没しそうな場合は、引きずり込まれないようにできるだけ離れるが、陸岸まで確実に泳げる状況以外は、泳がないで体力を温存し救助を待つ。

7 機関故障時の処置

  • (1)航行中に異常を感じたら、まずスロットルを戻し、異常の原因を調べる。状況に応じてエンジンを停止するが、停止すると始動できない場合があるので、注意が必要である。
  • (2)部品が要らない修理や調整できるものなどは、自力で修理が可能かを判断し、自力で修理や調整できない場合は、引き返すか、早めに救助を要請する。
  • (3)自力で航行できない場合は、ただちに救助を要請する。風や波で船が流されないように、アンカーを使って船を止める。