3-4 環境への配慮
1 油やゴミによる海洋への影響
近年、船舶による海洋汚染が深刻な問題になっている。タンカーの座礁に伴う油の流出など大規模なものから、一般船舶によるゴミや油の不法投棄などにより、沿岸の環境や漁業に被害をもたらしたり、船舶の故障や海難の原因になったり、海洋生物の生息に影響を与えたりしている。
2 ゴミ、廃油を出さない
- (1)缶、瓶やペットボトル、ビニール袋や発泡スチロール、ロープの切れ端、絡んだ釣り糸など、人工物は絶対に捨てない。ごみは必ず船内に保管し、陸上に持ち帰って処分する習慣をつける。
- (2)残飯や餌の残りなどを絶対に捨てない。撒き餌は、条例によってほとんどのところで禁止されており、規制がなくても極力使用しない。
3 出航前
出航前に船内にゴミ箱やたばこの吸い殻入れを必ず準備し、持ち帰って処分できるようにしておく。
4 給油時の注意
- (1)燃料や潤滑油を補給する場合は、絶対にこぼさないように注意する。
- (2)勢いよく入れると、燃料タンクの空気孔からあふれる場合があり、万一こぼれた場合は速やかに拭き取る。水面に油がこぼれた場合は、油吸着材等で吸いとる。
5 ビルジ排出時の注意
航行中にビルジが溜まった場合は、油分が無いことを確認した後排出する。油分がある場合は、帰港してから陸上で処分する。
6 不法係留・放置艇の環境に対する影響
不法係留や船の放置は、船舶の航行や港湾工事等の妨げとなったり、生活環境や景観の悪化を誘発したりする。放置艇は、やがて沈船となり除去するのも厄介な大きな障害物となる。
7 不要船舶の処理
船が不要となった場合は、廃棄物処理の資格を有する業者に処分を依頼しなければならない。
処理方法が不明な場合は、最寄りのマリーナや海上保安庁、あるいは各自治体に相談するとよい。使えなくなったからといって船を放置してはならない。
8 騒音防止
- (1)早朝や深夜に甲高いエンジン音を出すような走り方をしない。
- (2)陸上で水上オートバイのエンジンを不必要に空ぶかしさせない。
- (3)消音器を外すなど、騒音を誘発する違法改造をしない。
- (4)海岸から十分離れるまで速力を上げない。
- (5)係留場所や出航場所で早朝や深夜に大勢で騒ぎ声をあげない。
9 排ガス規制
プレジャーボート用のエンジンに対する排出ガス規制が行われることに伴い、船外機や水上オートバイは小型で高出力が出しやすい2ストロークエンジンが主流であったが、環境対応型の4ストロークガソリンエンジンや直噴式2ストロークガソリンエンジンに順次切り替わっている。
10 環境保全に関するルール
環境保全に関しては、各種の法律や条令があり、これらを必ず遵守することが、小型船舶の船長の責任である。
(1)海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律
船舶から油の排出や廃棄物の排出を規制している。また、油が広範囲に海面に広がっていることを発見した場合の海上保安庁への通報義務を定めている。
(2)港則法
港内又は港の境界外であっても廃物の投棄を規制している。
(3)都道府県条例・市町村条例
各自治体が条例で規定している。名称は各自治体により異なるが、「迷惑防止条例」「環境保全条例」「水上安全条例」などがある。


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